他人の為に事務を処理すべき人が、自分や第三者の利益を図ったり、本人に損害を加える目的でその任務に背く行為をして、本人に財産上の損害を加えた場合、被害額や行為態様の悪質性等の事情により、5年以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられるおそれがあります。
(被害額 2667万円) A町の町長であった万平さん(仮名)は、アサリ稚貝放流事業等を営んでいた8つの漁業協同組合で構成される任意団体からの不正な要求に対して、要求を拒否すれば自己の地位を失うおそれがあると考え、不正に補助金合計3400万円を交付し、A町に合計2667万円の損害を与えた。 なお、任意団体の強大な権力に端を発して事件で、万平さん自身は直接の金銭的利益は得ていないこと、万平さんは謝罪とともに町長の職を辞しており、社会的制裁を受けていること、A町との和解契約に基づき1333万円余りを支払うなど弁償に努め、A町も万平さんを許していること、前科前歴がないこと、75歳と高齢で心臓病の持病があることなど、万平さんに有利な事情も明らかになった。
有罪判決 懲役2年(執行猶予 3年)
(被害額 16億円)
農協の営業課長であった神木さん(仮名)は、共犯者らと共謀のうえで、共犯者らの利益を図ることなどを目的として、約6ヶ月の間に、13回にわたり実質的に無担保で合計16億4352万円を融資し、農協に同額の損害を与えた。 なお、裁判において、本件貸付は上司や内部監査において容易に発見できたはずであったこと、神木さんは農協の利益をも目的として行ったものであったこと、神木さん自身は何ら金銭的な利得を得ておらず、共犯者によって引きずり込まれた側面もあること、被害弁償として2000万円はすでに支払っていること、神木さんは農協を懲戒解雇され、保釈されるまで長期間の身柄拘束を受けており、社会的制裁を受けていること、前科前歴がなく、養育すべき家族がいることなど、神木さんに有利な事情も明らかになった。
有罪判決 懲役3年(執行猶予5年)