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あなたの家族や友人が逮捕されてしまった、勾留されてしまったという場合、あなたはなんとかしてその身柄を解放してあげたいと考えると思います。しかし、逮捕・勾留からの脱却は容易なことではありません。
これまで述べてきたとおり、被疑者に犯罪の疑いがあり、逃亡や罪証隠滅などのおそれがあれば、被疑者は適法に逮捕・勾留される可能性が高いからです。警察や検察官などは、市民の安全や社会秩序の維持を目的に活動していますから、犯罪の疑いがある人を拘束して取調べをするのは、いわば職務上に要求された、当り前のことなのです。もちろん、逮捕・勾留する必要がないのにしていれば違法となりますし、令状などの踏まなければならない手続きを踏んでいない場合も違法です。しかし、ほとんどの場合は、適法な手続きのうえで必要があってされた逮捕・勾留ですから、犯罪の嫌疑をかけられている状態でそのような適法な逮捕・勾留から脱却することは簡単ではないのです。
それでも、身に覚えのない犯罪で逮捕されたり、勾留されたりすることは、本人にとっても周りの人にとっても、納得のいかないことですから、たとえ簡単ではなくても声をあげるべきです。そのような事態に自分の家族や友人が巻き込まれてしまった時に、困難の中でどのような対処ができるのか、考えてみることにしましょう。ここでは、とくに被疑者が身柄拘束の状態からどのように脱却することができるのか、に着目します。
まずは、逮捕や勾留の前の段階として、任意出頭についてご説明します。
なお、この項での「勾留」は、起訴前の勾留のことです。
任意出頭を求められた場合

ある日曜日、家でくつろいでいたら警察署から電話がかかってきました。「すこしおたずねしたいことがありますので、明日○○警察署にいらしていただけますか?」と、出頭するように求められたとします。その場合、任意出頭(にんいしゅっとう)に応じるべきなのでしょうか?
任意出頭とは
まず、任意出頭とは何かということから考えていきましょう。
刑事訴訟法198条第1項「検察官、検察事務官又は司法警察職員は、犯罪の捜査をするについて必要があるときは、被疑者の出頭を求め、これを取り調べることができる。但し、被疑者は、逮捕又は勾留されている場合を除いては、出頭を拒み、又は出頭後、何時でも退去することができる。」と規定しています。任意出頭とは、ここに規定された被疑者の出頭のことです。捜査機関の求めに応じて、被疑者が任意に警察署に出頭します。任意という点が、被疑者の意思にかかわらず強制的に身柄を拘束し警察署に引致する、逮捕とは大きく違う点です。また、出頭後にいつでも退去することができると明記されている点も、逮捕された場合とは大きく異なります。任意出頭した被疑者とは違い、逮捕された被疑者は、令状によって強制的な身柄拘束を許されている被疑者ですから、相当程度の取調べを受け入れなくてはならないという「取調受忍義務(とりしらべじゅにんぎむ)」があるとされているからです。もっとも、これは取調べに応じる義務であって、取調べで供述をしなくてはならない義務ではありませんから、注意が必要です。被疑者はどんなときも、答えたくないことは答えないで良いという権利があります。いずれにせよ、取調受忍義務がある逮捕の場合は、「いつでも退去することができる」わけではありませんから、ここが任意出頭と逮捕の大きな違いです。
このように、任意出頭は、取調べに至る経緯や退去の可否が逮捕された場合とは異なりますが、取調べの内容や手続きが大きく異なるわけではありません。そのため、捜査機関は取調べに際して、被疑者に対し、あらかじめ、自己の意思に反して供述をする必要がない旨(供述拒否権)を告げなくてはなりません(刑訴法198条2項)。また、被疑者の陳述が調書に録取される(3項)ことも逮捕された場合の取調べと同様です。調書を被疑者が閲覧し、もしくは取調べ官が読み聞かせて、誤りがないかを聞いたのち(4項)、捜査機関は、被疑者に署名押印を求めることができます。ただし、被疑者はこの求めを拒否することもできます(5項)。
任意出頭を拒めるか?
では、任意出頭を拒むことができるかどうか考えてみましょう。先ほど挙げた刑訴法198条に「出頭を拒」むことができるとあったのだから、当然、「拒むこと」はできます。しかし、拒むことができることと、最後まで警察の取調べを受けずにすむことは別問題です。任意出頭に応じなかった結果として、結局逮捕されてしまう場合もあり得るのです。どうしてそのようなことがあり得るのでしょうか。
令状による通常逮捕について規定した刑訴法199条の但書では、「30万円以下の罰金、勾留又は科料に当たる罪については、被疑者が定まった住居を有しない場合又は正当な理由がなく前条の規定による出頭の求めに応じない場合に限る」と定めています。これは、本来、軽い罪の場合は逮捕はできないが、定まった住所がないなどの身柄を確保する必要性が高い場合は、逮捕してもよいという意味です。ということは、「正当な理由がなく前条(198条)」の規定による出頭の求めに応じない場合」は、定まった住所がない場合と同様に身柄確保の要請が高い場合に当たります。とすると、任意出頭に応じなかった場合は、逃亡または罪証隠滅のおそれから逮捕の必要性があると判断されて、逮捕状が交付され、逮捕されてしまうことがあり得ます。 このような、任意出頭を拒否したら逮捕されてしまう可能性が高い場合は、素直に任意出頭に応じ、捜査に協力する姿勢を示して、逮捕という事態を回避すべきでしょう。
もちろん、任意出頭はあくまでも「任意」の出頭ですから、応じるかどうかは、あなた自身の判断で決めることです。また、任意出頭を拒んだ人はみんな逮捕されることになるというわけではありません。ここは自分が過去に行った事実を慎重に振り返り、逮捕される可能性を検討したうえで、任意出頭に応じるべきかを判断すべきです。警察からかけられている嫌疑について、身に覚えがありますか。それとも、全く身に覚えがありませんか。
なお、嫌疑について身に覚えがない場合は、警察の人にその旨きちんと話を聞いてもらい、疑いを早い段階で晴らす努力をしておきましょう。身に覚えのないことでいつまでも疑われ続けることは誰しも気分が悪いものですし、任意出頭を要請され、意味なく拒否すると、後にやましいことがあるから出頭しなかったのではないかと余計に警察に疑われる可能性が否定できないからです。
出頭後、退去できるか?
これも出頭自体を拒めるかという疑問と同様、答えは刑訴法198条の条文に書いてあります。しかも、「出頭後、何時でも退去することができる」と書いてあります。では、現実的に任意出頭後、いつでも出頭した被疑者は帰ることができるのでしょうか。警察官は、被疑者に聞きたいことがあって被疑者の出頭を要請したわけですから、その聞きたいことを聞き終えるまで、被疑者に帰ってほしくないというのが本音です。だから、被疑者が帰りたいと言ったとしても、「まあまあ、そんなこと言わずに」などと引き留められることがあるでしょう。法律上はそこに留まらなければならない義務があるわけではありませんから、それでも帰りたいときははっきり退去の意思を申し出ましょう。
この場合に、注意しなければならないことがあります。なかなか帰らせてくれない警察官の態度にイライラして、警察官をつきとばしてしまったり、物を投げてしまったりすることがないようにしなくてはなりません。この行為が公務執行妨害罪に該当してしまうと、その場で逮捕ということにもなりかねないからです。取調官に対し「捜査に協力する意思はあるが今日は取調室から退出したい」旨を伝え、取調室から平穏な態度で退出するようにしましょう。それでもむりやり力づくで引き留めてくるようであれば、それは強制的な身柄拘束となっていますから、令状なくそのような身柄拘束がなされている場合は、任意捜査の限界を超えており、違法です。
任意捜査の限界といえる場合は他にもあります。たとえば、食事を摂らせずに長時間にわたって取調べを続けたり、被疑者の承諾なしにトイレに行くにもコンビニに行くにもホテルに泊まるのにも警察官がずっとついてきて、そのまま翌日の取調べをすることになるようなケースです。その場合は、厳重に抗議しましょう。そのような取調べを受けた場合は、日付や取調官の名前、どのような違法と言える行為があったかを、メモなどに残しておくとよいでしょう。
ここで、任意捜査の限界として、有名な判例をご紹介します。
高輪グリーンマンション事件(最決昭和59年2月29日刑集38巻3号479頁)
殺人事件の被疑者に対し、帰宅できない特段の事情もないのに、4夜にわたり所轄警察署近辺のホテル等に宿泊させるなどした上、連日所轄の警察署に出頭させて、午前中から夜間に至るまで長時間にわたり取調べをした事案です。被疑者はこの宿泊を伴う取調べに任意に応じていました。この取調べが任意捜査の限界を超えて違法ではないかと、問題になりました。
裁判所は、任意捜査の限界について、「『個人の意思を抑圧し、身体、住居、財産等に制約を加えて強制的に捜査目的を実現する行為など、特別の根拠規定がなければ許容することが相当でない手段(最高裁昭和五〇年(あ)第一四六号同五一年三月一六日第三小法廷決定・刑集三〇巻二号一八七頁参照)を用いることが許されないということはいうまでもないが、任意捜査の一環としての被疑者に対する取調べは、右のような強制手段によることができないというだけでなく、さらに、事案の性質、被疑者に対する容疑の程度、被疑者の態度等諸般の事情を勘案して、社会通念上相当と認められる方法ないし様態及び限度において、許容されるものと」としたうえで、「被告人に対する右のような取調べは、宿泊の点など任意捜査の方法として必ずしも妥当とはいい難いところがあるものの、被告人が任意に応じていたものと認められるばかりでなく、事案の性質上、速やかに被告人から詳細な事情及び弁解を聴取する必要性があつたものと認められることなどの本件における具体的状況を総合すると、結局、社会通念上やむを得なかつたものというべく、任意捜査として許容される限界を越えた違法なものであつたとまでは断じ難い」としています。
逮捕された場合

では、次に、逮捕されて身柄拘束されている場合について考えてみましょう。
逮捕からの脱却は難しい
逮捕された場合、逮捕に伴って身柄拘束を受けますが、法律上、逮捕に対する不服申立ての手段は認められていません。最高裁判所の判例においても、逮捕に関する裁判およびこれに基づく処分は、準抗告の対象にはならない旨、判示されています(最決昭和57年8月27日刑集36巻6号726頁)。 つまり、逮捕されたことに対して、「逮捕するのはおかしい!」と不服申し立てをすることができないのです。また、逮捕後に釈放されたとして、「逮捕歴がついたから取り消してほしい!」などという申し立ても難しいでしょう。捜査機関は、「被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があるときは、裁判官のあらかじめ発する逮捕状により、これを逮捕することができる」(刑訴法199条)とされているのですから、「罪を犯したと疑うに足りる相当な理由」が被疑者にあって令状が発布されれば、捜査機関は法の後ろ盾を伴って被疑者を逮捕することができるのです。
通常逮捕の場合、警察官に逮捕されてから検察官に送致の手続きをされるのが48時間以内、さらに検察官が勾留請求をするかしないかを決めるまでが24時間以内です。つまり、合計72時間が逮捕による身柄拘束の時間制限となります。逮捕に対する不服申し立ての手段がないということは、仮に逮捕されてしまった場合、最大で72時間はそれを受け入れなくてはならないということです。なぜなら、逮捕に引き続く身柄拘束は、警察官段階と検察官段階とにわけられるわけですが、長いほうの身柄拘束であっても48時間という比較的短い期間の拘束となり、裁判所が裁判によって是正措置を執ることは実質上不可能となってしまうからです。また、適法に逮捕が行われるよう捜査機関を抑制するためには、逮捕の適法性についてどこかの段階で審査をする必要がありますが、勾留の要件として事前の逮捕の適法性が要求されており、勾留の裁判時に逮捕の適法性の審査をすることができます。そのため、あえてその直前の段階で不服申し立てを許さなくても、被疑者の不利益を救済することができると考えられているのです。
また、72時間だけならば、その後解放されさえすれば、また何事もなかったかのように過ごすことができます。2、3日程度であれば、会社には急病でどうしても行けなかったと、なんとか言い訳をすることもできるかもしれません。また、72時間「以内」ですから、もちろんそれより前に解放されることもあるわけです。
逮捕された場合の弁護活動
逮捕からの脱却が困難であることはすでに述べましたが、それでも弁護士はできる限りの弁護活動をします。たとえば、被疑者の釈放を促す活動です。被疑者の身柄を早期に解放する必要があることや、被疑者の身柄を解放しても問題はないこと(罪証隠滅のおそれがないなど)を、警察官や電話するなどして説得することもあります。
また、被疑者が若年の場合や、泥酔して喧嘩をし翌朝になって酔いが醒めた場合などには、弁護人が警察署に身元引受人を伴って行き、身元引受人の身元引受書を差し入れ、また、被疑者を釈放する必要性や釈放しても問題がない旨を内容とする、弁護人の意見書を差し入れることで、被疑者の釈放を促します。
次の段階の準備をすることはできる
また、逮捕に伴う身柄拘束の間も、早い段階から勾留されないための準備をすることが必要になってきます。さらに、事件が検察官送致された場合は、検察官は勾留請求に向けて取調べをしますから、勾留請求自体をしないように検察官に意見書を差し入れます。また、検察官と面会することもあります。
72時間は逮捕の状態から脱却することはできなくても、依頼された弁護士の接見を受けるなどして次に打つ手の準備をすることはできます。

逮捕直後からの72時間が重要。勾留が決定すると最大23日間拘束されてしまう。
勾留からの脱却

勾留からの脱却を考える前提として、どのように被疑者が勾留されるかを、段階を追って考えてみましょう。なお、この項での「勾留」はすべて起訴前の勾留のことです。
まず、逮捕されている被疑者を勾留するために、逮捕による身柄拘束の後72時間以内という制限時間以内に、検察官が裁判所に@勾留請求をします。次に、裁判所が、検察官の請求を認めるか認めないかの判断を下します。認める場合はA勾留決定、認めない場合は勾留請求却下の裁判となります。次に、勾留決定がでて被疑者が勾留されてしまった場合は、さらに検察官がB勾留の延長を請求することが考えられます。勾留が延長されれば、被疑者の身柄拘束はさらに長引いてしまいます。検察官がした勾留延長請求を認めるか否かについても、裁判所が判断をします。認める場合はC勾留延長決定、認めない場合は勾留延長請求却下の裁判をします。また、そもそも、勾留は要件が備わっていないと認められません。そこで、最初から、もしくは途中からその要件が欠けており、被疑者の勾留は取り消されるべきであるという主張をすることもできます。それが弁護人の裁判官に対するD勾留取消し請求です。
この請求についてもやはり裁判官が判断します。そして、弁護人の請求を認める場合は勾留取消し決定、認めない場合はE却下決定となります。
ここで、勾留の要件を復習しておきましょう。(くわしくは、勾留から起訴のながれをチェック!)
勾留の要件としては、(1)勾留請求の手続きが適法であること、(2)勾留の理由があること、(3)勾留の必要があることの3点が必要になります。
(1)勾留請求の手続きの適法性については、裁判所は、逮捕時間の制限などの法律の規定に違反していないことを判断します。
(2)勾留の理由があるといえるためには、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があることおよび、下記の刑訴法60条1項各号いずれかの要件を満たすことをいいます。
第1号 被疑者が定まった住居を有しないとき
第2号 被疑者が証拠などを隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき
第3号 被疑者が逃亡し、または逃亡すると疑うに足りる相当な理由があるとき
のいずれかです。
さらに(3)勾留の必要性があるというためには、事案の軽重、被疑者の年齢、被疑者の体調など、全ての事情から総合的に判断して、勾留が相当であるといえるような場合でなくてはなりません。
以上のどの要件が欠けていても勾留はできないのですから、弁護人が勾留取消し請求するためには、裁判官に対して要件が欠けていることを説得しなくてはなりません。
では、どのように勾留に対抗していくのでしょうか。
@ 検察官に対して、勾留請求をしないように求めること
A 裁判官に対して、勾留請求却下の裁判を求めること
B もしAが認められなかったら、勾留決定に対して準抗告の申し立てをすること
C 検察官に対して、勾留延長請求をしないように求めること
D 裁判官に対して、勾留延長請求却下の裁判を求めること
E 裁判官に対して、勾留取消し請求をすること
F もしEが認められなかったら、却下決定に対して準抗告の申し立てをすること
さらに、被疑者の近親者の葬儀があるなど緊急の場合に、勾留の執行停止を申し立てることもできます。被疑者がなぜ勾留されるのか明らかにするために、勾留理由開示請求をすることもあります。
これらは、すべて弁護士がする活動となりますので、ここではキーワードをおさえておき、次の項「弁護士をつけたらこうなる」で詳しくご説明いたします。
残された家族ができるこ

逮捕された方のご家族は何をすることができるのでしょうか。また、何をしたほうがいいかのでしょうか。
逮捕に伴う身柄拘束の場合
原則として、逮捕から72時間以内の逮捕に伴う身柄拘束については、家族は本人と面会することはできません。というのも、刑事訴訟法上、逮捕に伴う身柄拘束を受けているものについては、弁護人以外の者との接見交通権が認められていないのです。これは、短時間の身柄拘束の間に家族などの接見を認めてしまうと、捜査に与える影響が大きすぎるためです。接見をする(受ける)権利のことを接見交通権(せっけんこうつうけん)といいます(刑訴法39条)。そのかわり、弁護人と接見をする権利はみとめられています。ただし、捜査機関は、捜査のため必要があるときは、弁護士の接見であっても接見の日時、場所、および時間を指定することができます。これを接見指定(せっけんしてい)といいます(刑訴法39条3項)。また、逮捕による身柄拘束中は権利として接見することはできませんが、捜査官のとりはからいによって接見が許可されることもあります。
勾留されている場合
一方、被疑者が勾留された段階では、弁護人以外の者との接見交通権も認められます。ただし、被疑者の逃亡、罪証隠滅などを疑うに足りる相当な理由があるときは、接見禁止(せっけんきんし)の措置がとられることがあります。その場合はやはり、弁護人しか接見できないことになります。
接見交通の制限は、検察官の請求によりまたは職権で裁判所が判断します。勾留されている被疑者・被告人と弁護人または弁護人になろうとするもの以外の者との接見を禁じ、またはこれと授受すべき書類その他の物を検閲し、その授受を禁じ、もしくはこれを差し押さえることができます。ただし、糧食の授受を禁じまたは差し押さえることはできません(刑訴法81条)。糧食の授受が禁止できないとされているのは、人身保護の見地から規定されたものですが、実務では、在監者の保健衛生および規律保持などから、金銭を差し入れ、その金銭を使って被疑者が指定業者の飲食物を購入することになっています。つまり、接見にいったとしても、被疑者に好物のおまんじゅうを届けたり、手製の料理を届けたりして励ますことはできないということです。食べ物の中に毒物が混入されていても分からないため危険ですし、また、食中毒などの危険性もあるため、この実務の運用はやむをえないものといえるでしょう。
その時、家族ができること
1.逮捕され勾留されている本人と面談する(接見禁止がない場合のみ)
まず逮捕された本人が留置されている施設へ行き、本人と面談をしましょう。その際には、逮捕された理由のみならず、逮捕されてから体調に異常はないか、酷い取調べは受けていないかなど、本人の安否を気遣うことが大切です。逮捕・勾留されている状況はストレスフルです。本人を精神的にサポートしましょう。また、家族のことを気にかけている場合が多いですから、家族の様子などを伝えて安心させてあげるとよいでしょう。
また、接見の際は、書類もしくは物の授受をすることができます。たとえば、本や手紙などを差し入れることができます。本人の好きな本や雑誌を買って行ってあげたり、手紙を書いてあげるとよいでしょう。ただし、本や手紙などはすべて留置係の検査を受けることになります。また、本はカバーなどはずして中身のみを差し入れることになります。しおりの紐などがついていたら、それは切らなくてはなりません。勾留されている者の安全確保の目的です。そのため、手を加えたくない、思い出の本などの差し入れは控えたほうが無難でしょう。
接見に際しては、警察官が立ち会います。接見は一回およそ15分で、会話の内容は警察官がメモをとります。これは、罪証隠滅や逃亡目的、犯罪目的の会話を予防する目的です。
2.捜査官の取調べに対応する
ご家族の方は、捜査官から取り調べを受ける可能性が高いです。この取調べは、その後の刑事手続の流れに影響を与える重要なものです。取調べによって作成された調書は、検察官が起訴するか・不起訴にするか、裁判官が有罪にするか・無罪にするかの判断資料となるものですから、事実に即して知っていることだけを知っているまま正確に伝えるようにしましょう。また、起訴され、事件が裁判所に係属した場合も、この調書は証拠として採用される可能性があります。
このように、後々まで調書は捜査や裁判の資料として重要な役割を果たすことになりますから、嘘を述べずに、正直に思ったことを話すようにしましょう。また、被疑者も同様ですが、すべての供述調書は、完成後に読み聞かせてもらい、内容に腑に落ちないところがあれば訂正してもらうことができます。少しでも納得のいかない部分があれば、遠慮せずに取調官に申し出て訂正してもらうようにしましょう。納得いかない場合は、署名押印を拒むこともできます。
3.弁護士と面談する
「接見が禁止されているため逮捕された本人と面会できない」「この後の刑事手続の流れがよく分からず不安だ」「捜査官が強引な取調べをしているかもしれない」などの理由でお悩みの方は、一度最寄りの弁護士に相談してみることをおすすめします。事件・事故の早期解決のためには、ご家族の積極的な協力が必要不可欠です。逮捕された本人は、警察署の中にいるわけですから、不安な気持ちのまま、早急に弁護士を依頼するという対応をとれないこともあります。いったいどんな弁護士に依頼するのが最善策か、検索することもままならないからです。そのため、逮捕者のご家族が弁護士を検索し、相談することで、適切な対応を早い段階からとることができるのです。刑事事件の弁護活動にとって、迅速な対応をとるということは、非常に重要なことです。そのため、単に「迅速に」弁護士に相談するだけではなく、「迅速な対応をとれる」弁護士に相談するということが重要です。金曜日に逮捕されて、土日が休みの弁護士では、迅速な対応をとることはできません。また、弁護士が多忙すぎてなかなかつかまらないのでは、ご家族は相変わらず不安なままです。そのようなことのないように、「今」、迅速な対応ができる弁護士を探してください。
なお、アトム法律事務所<東京・大阪>では、ご家族からのご相談にも積極的に対応しております。ご家族が逮捕され、連絡がとれなくて困っている、そもそも今どういう状況なのか全くわからない、という状態でもかまいません。逮捕されている方のお名前と警察署が分かれば、対応することは十分に可能です。多くの場合、警察から家族が逮捕されたという連絡を受けたとしても、ご家族はあまりたくさんの情報を得られず、不安な状態におかれます。警察もあまり十分な情報を与えないからです。そのため、何の疑いで逮捕されているのか、大まかにはわかったとしても、実際何をしたのかなどは全く把握できないことが少なくありません。そういうとき、ただ不安でいるだけではなく、行動をとるということが、刑事事件の弁護にとってはとても重要なのです。
なんだかよく分からないけど逮捕されたらしい、という状態でかまいませんので、できるだけ早くご相談されることをおすすめいたします。アトム法律事務所<東京・大阪>では、逮捕された方のご家族からの無料法律相談を年中無休でお受けしております。
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